昆虫百面相(5) トラカミキリ
タイトル 角張った顔「寅さん」似
トラカミキリ
【体長】15~25ミリ
【分布】日本全土
私は「寅さんの映画」が大好きで、よく見る。笑い泣きの連続技にすっかりはまってしまい、ティッシュなしには見ていられない。
このカミキリは、前翅と体に虎のような黒と黄色の模様があるため名付けられた。名前もさることながら、角張った顔は、映画の酔ったときの寅さんを思い起こす。
じつは、このカミキリは、スズメバチに姿形を似せているのである。
実際、野山で出会うと、ほんとうにスズメバチかと見間違え、思わずのけぞり、手を引っ込めてしまう。
見事な擬態で姿だけでなく、動き方、飛び方もスズメバチに似せている。
最初、この虫を見つけたときは、てっきりスズメバチかと思って逃げかけた。しかし、トラカミキリのことが頭をかすめ、もう一度、じっくり見て、スズメバチではないと分かって撮影した。
実際は、おとなしい虫で、撮りやすかった。
トラカミキリの仲間は、オオトラカミキリ、コトラカミキリ、タケトラカミキリなど日本産は60種以上いる。
この仲間はカミキリムシの特徴である”触角が長い”というのに反して、短い触角になっている。
これもハチに似せるための適応とも考えられる。
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