テレビチャンピオン奮闘記(7)  「決勝ラウンド」

私は、竹馬も三輪車も駄目と思っていたので、3ラウンドまでかと覚悟していたのですが、交通渋滞という思わぬ出来事で、運良く3ラウンドをクリアできました。

決勝ラウンドはやはり昭和記念公園に接して建てられている市立体育館をスタジオ代わりにして行いました。

3ラウンドが終了したのが、もう4時頃、これはもう温泉どころではないと思い、いけそうもないことを連絡しました。みんな、それではがんばってということで、影ながら応援してくれていることになりました。

この体育館は、一般の市民の利用が終わってからというので、決勝会場のスタジオのセッティングは5時過ぎからはじめました。
かなり凝ったものをつくっていましたが、それだけ時間もかかりました。

体育館の2階の会議室を控え室にして、私たちは、ここで食事をし、いろいろおしゃべりをして時間をつぶしました。 対戦相手のSさんはどこかに消えました。

司会の山崎さんはお笑い系の人のせいかよくしゃべるし、面白い人でした。
派遣のモデルのおねえさん二人はけっこうおとなしい人でした。総括ディレクター(零クリエイトの常務)は、全体の進行、問題が起こったときの対処などをする人で、なかなかしっかりした人で、感じの良い方です。

食事の後、山崎さん、おねえさん二人、常務と私で、いろいろおしゃべりをしていたのですが、そのうち、お化けの話になり、それぞれがとっておきのお化けの話をしだしたのです。

私もとっておきの怖いやつをやりましたら、けっこうみんな静かになって、山崎さんなんか本気で怖がりだしてしまいました。

こんな話をしていて、なんかこれから決勝か?とうっかり忘れてしまうほど、ゆったりした雰囲気になってしまいました。

そして、会場の設営がやっと終わり、決勝の相手のSさんがどこからともなく現れました。

じつは、この日Sさんの奥さんたちが、車で応援に駆けつけてきていたようです。食事や休憩もそちらでしていたようです。

この日の午後は、残暑で気温がどんどん上がり、暑く、しかも体育館は冷房なしでした。さらに、近隣に迷惑がかからないように、外に光・音がもれないよう、カーテンは閉め、さらにドア、窓も閉められて、撮影の照明はガンガンで、まるでサウナのような会場で始まりました。

司会の山崎さんは背広上下を着ているのですぐに汗がたらたら。
ときどき撮影にストップをかけて、トイレにいって、汗をふいて、身なりを直して戻ってくるということの繰り返しでたいへんでした。

決勝は、8つのジャンルの動物たちが、パネルにはられて登場。
それを、かわりばんこ名前を答えてゆくのです。

「動物カルトクイズ問題」というだけあって、かなりカルトな問題です。

ジャンルは
1.海のほ乳類
2.ペンギン
3.超ミニ動物
4.サル
5.ネコ科
6.角のある動物
7.鼻に特徴のある動物
8.歯が伸び続ける動物(げっし類)

このジャンルの出題の順番は、食事の前に休憩室で、Sさんとじゃんけんをして、お互いに得意な分野から、代わりばんこ言い、順番を決めてゆきました。

本番のときに、ジャンルを選ぶ時間を節約するためと、順番にそって前もって下準備(パネルの用意)をしておくためと思われます。

私はペンギンは弱いし、ミニ動物も自信がなかったのですが、その二つが最後の方になってくれて助かりました。

いよいよ準備が整い、スタートというときに、Sさんは顔が真っ青になり、司会の人も大丈夫ですかと心配するほどでした。

極度の緊張のせいだったようです。私は、お化けの話などしてなんだかすごくリラックスしたせいか、自分でも驚くほど、まるで上がりませんでした。

「角のある動物」から始まりました。
写真のパネルが8枚、大きな白板のようなところに貼られています。この写真は動物の角しか写っていません。かなり動物に詳しくないとお手上げだと思います。

このジャンルは私が選んだので、まず私から、パネルの番号を言い、○○です。と名前を答えます。

正解なら、ピンポン! 間違っていたら ブー!です。

間違った瞬間、相手のポイントになり、そのジャンルを制したことになります。8ジャンルありますので、5ジャンルを先取した方が勝ちです。

だいたい1ジャンルにつき、10枚のパネルがありました。

私は図鑑の編集長をずっとやっていましたし、動物の図鑑もかなりつくりました。このため、動物の名前当てクイズなら自信はありました。

しかし、最近は、芸能人の名前もすぐに出てこないし、名前はわかっているのに、のどの奥まできているのに声にならない状態で、「ほら、あれ、なんていったっけ?」
の繰り返しです。

この競技のために、図鑑をみながら名前をいうことを試したら、やはり分かっていても名前が直ぐ出てこないし、と少しの不安がありました。
やはり、いざ始まると、少し緊張してきます。
最初に選んだ動物は ピンポン!でした。
この音を鳴らすのが、ディレクターなのですが、なんかとても絶妙な間おいて、鳴らすのです。

間違いない!と思っても、ちょっと間が開くと、あれ間違いかなと不安になったりします。正解でも間違いでも、絶妙な間のおかげで、こちらも緊張してきました。

このジャンルは、 どんどんお互いに正解がつづき、あと二つくらいになったときに私が間違ってしまいました。Sさんのポイントです。0勝1敗。

2番目の問題は「海のほ乳類」これは私が制して、1勝1敗。

こうしてどんどん、問題が進んでゆきました。

私が、3勝1敗1引き分けになり、6問目のサルの問題になったのです。ここでちょっとした事件がおきました。それは、シロウアカリというサルです。

私の番で、シロウアカリと答えたのですが、ピンポンもブーも鳴らず、むこうで図鑑を引っくり返して、騒ぎ出したのです。

あれー?!どうしたのかなーと思って聞いてみると、これはアカウアカリが正解と思ったけど、シロウアカリというものがいるのかどうか、どっちが正しいのかわからなくなってしまったみたいなのです。

私は、答える前にパネルのそばにより、よく確かめてから答え、自信がありました。ちょっと専門的になりますが、南米にハゲウアカリの仲間という頭が見事にはげているサルがいるのです。

最初に見つかったのが、アカウアカリといって体毛が赤いレンガ色しているサルです。その後、この仲間にシロウアカリ、クロウアカリという色の違うものがみつかりました。最初は亜種とされたのですが、最近は別種とする学者もいるのです。

パネルの写真は古い写真で、褪色していて赤味が浮いてきていたのです。ですからアカウアカリ的に見えたのですが、これはどうみても、レンガ色ではありません。

そこで、シロウアカリと言ったのですが、私はアカウアカリではない!!と絶対ゆずりませんでした。最近つくった図鑑にこれを載せたので、これには絶対に自信がありました。

このためディレクターの方が折れて、では、このパネルはなかったことにして、べつのパネルに取り替えて、モトエということにしてやり直しますということになりました。

Sさんも納得して、ゲームは再開になりました。

私は、それではと、別のパネルのものを答え正解しました。次にSさんの番でしたが、残りのパネルが少なくなり、Sさんは、先ほど取り替えたばかりのパネルを選び、答えを間違ってしまったのです。

今度は、Sさんからパネルを交換したから間違えた、という抗議が起こり、またしばらくすったもんだしてしまいました。
その問題の写真が子ザルだったため、わかりにくかったのです。

こうして、4勝1敗1引き分けで、残り2ジャンルをSさんが全部勝っても私の勝ちと言うことで、とうとう決勝まで勝ってしまいました。

ところが、これで終わりではなかったのです。残った2ジャンルもやってくださいというのです。

せっかくお金を払ってパネルをつくっているので、しかたないかと思い、残りの2ジャンルもやりました。

残りは、超ミニ動物、ペンギンです。これはあまり得意ではないのでやはり負けました。

今までやってきたジャンルでも、途中で例えば、まだ2パネル目で間違ってしまったときは、残りの8パネルも全部やってくださいといわれ、勝負は変わりませんが、残りをやらされました。

放映されたものを見て驚きましたが、勝負は最後までもつれ込んで、3勝3敗1引き分けで、最終問題で決着となっていました。もちろん一部、このジャンルはこっちが制して・・・と映像は飛ばして結果だけのも入れていましたけど。

この辺はいろいろ、視聴者にはらはらさせるように、上手く編集していましたね。正直、放送を見て、驚くより、感心しました。 テレビ編集のプロの仕事です。

こうして決勝ラウンドは決着がつきました。終わったのは深夜0時を回っていました。なんか疲れたという感じで、うれしいという思いはまったくなかったですね。

主人公がいかない温泉旅行は盛り上がらなかったみたいです。
でも、みんなは旅館で私のゲームがどうなったか、気になって眠れないということで、ちょうど決勝が終わった0時過ぎに、携帯に電話がありました。

「なんだかしらないけど、勝っちゃったよ!」と伝えると、みんな驚き、起き出してきて、乾杯が始まってしまったといっていました。

一番驚いたのは本人ですね。最初は、まさかまさかの連続でしたから。
ほんとに人生ってわからないものですね。

続く。

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